やりたい職種が見つからない!就活で知りたい職種の決め方4ステップ

職種決め方 就活ノウハウ

就活の際、業界研究や企業研究をしていく中で業界や業種を軸に企業選びをする人は多いと思います。

一方で、業種にこだわりすぎるあまり、絞った企業でもいまいち何をするのかわからなかったり、本当に自分の特性や、やりたいことにマッチしているのかわからないという悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、そのような悩みを解決できるよう、職種による企業の絞り方をお伝えし、希望職種の見つけ方を解説します。

職種とは?

職種とは、仕事の種類のことです。

「営業」「広報」「経理」「人事」「企画」など、仕事内容によって職種が異なります。それぞれの職種に基づいて、「営業部」「広報部」「経理部」「人事部」「企画部」など部署が分かれていることが一般的です。

企業での役割の内容によって職種は異なります。

職種と業種の違いは?

職種が企業での仕事の種類を指すのに対して、業種は企業が営む事業分野を指します。

同じ業種内でも、例えば「営業」と「経理」ではやることは全く異なります。一方で、業種が異なっていても、例えば同じ「開発」職であれば、プログラミングをするなど、似ている働き方をすることになります。

職種と業種の関係性。
職種と業種の関係性。同じ業種でも職種が異なれば仕事内容は異なる。

なお、業種についての詳しい説明は、こちらの記事を併せてご覧ください。

職種を決める重要性

入社後のミスマッチを防ぐ

職種を決めて就活をすることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

企業は、入社後平日の大半を過ごす場所となります。入社してみて思っていた仕事内容と違っていたとなると、生活の大半をやりたくないことに注がなくてはならなくなってしまいます。

仕事内容の差異は、業界・業種間よりも職種間での方が大きいことが一般的です。なぜならば、職種ごとに異なったスキルが求められるため、同じ業界・業種にいても別職種の仕事内容はできないことが多いからです。

一方で、業界・業種が異なっても、その職種で必要とされるスキルは他業界でも応用可能なことが多いです。例えば、「広報」という職種を考えてみましょう。「広報」ではSNSやWebサイトを使って、企業の商品をPRの認知や集客を担うことが多いですが、SNSの運用スキルやWebサイトを使った集客スキルなどは、業界の垣根をこえて使えるものです。

したがって、職種内容の理解をしっかりできていれば、入社後の仕事内容や必要なスキルが想定でき、入社後のミスマッチを防ぐことができるのです。

志望動機が明確になる

また、職種を決めることで志望動機も明確になります。入社後の仕事内容や必要なスキルがわかると、具体的にその企業で働いているイメージがはっきりします。また、仕事を通して自分がどのような人間になるのかということのイメージもわいてくるでしょう。

志望動機がより明確で具体的になると面接等での回答に説得力が増し、選考で有利になります。

キャリア形成の指針になる

そして、職種を決めることはキャリア形成の指針にもなります。具体的に入社後得られるスキルが明確になると、中長期的にどのようなキャリアを形成していこうか考えることができるようになります。中長期的に何を強みとして仕事をしていきたいか、ということを考える上で、職種について考えておくことは非常に有意義なのです。

あらゆる業界に共通する職種5選

営業

営業とは、主に商品やサービスを顧客に売り込み、売上を上げるための職種です。営業の具体的な内容や役割は業界や企業、商品やサービスによって異なりますが、大きく分けると「新規顧客」への営業と「既存顧客」への営業の2つに分かれます。

「新規顧客」への営業は、まだ契約関係にない企業や個人にアプローチをして、自社の商品やサービスを紹介し、購入してもらったり契約を結んだりすることを目的とします。営業方法としては、メールや架電、直接訪問などがあります。新規顧客の営業では、相手の悩みをピンポイントに把握・言語化して伝える能力と、粘り強く継続する忍耐力が必要になってきます。

「既存顧客」への営業は、すでに契約関係にある企業や個人に対して、さらに新しい商品やサービスを売り込んだり、既存の契約を継続してもらうための仕事をします。既存顧客への営業では、クライアントの問題解決のために積極的に行動することが必要です。時には、クライアントの経営コンサルのようなことまでしてしまうことがあります。というのも、既存顧客の売上を上げていくためには、クライアントの売上が伸びていることが必要です。クライアントの売上を伸ばすことが、最終的に自社の売上を伸ばすことにつながるので、営業がクライアントの売上向上に真摯に向き合うのです。

広報

広報とは、自社の商品やサービス、活動内容を多くの人に知ってもらうために情報発信をする職種です。具体的には、WebサイトやSNSなどの媒体を駆使して、商品やサービスのPRを行います。また、外部にPRするだけでなく、自社の商品やサービスに対する社会の声をヒアリングし、社内にフィードバックする役割を担うこともあります。また、社内の活動内容を社内の従業員向けに発信する仕事もあります。これら、社内向けの情報発信を特に社内広報といいます。

広報は、ただ商品やサービスの認知が広まれば良いというわけではありません。その商品やサービスがどのように認知されたいのか、誰に認知されたいのかということを踏まえて広報戦略を練っていくことが求められます。

したがって、広報は企業のブランド形成にも重要な役割を果たします。そのため広報は、ブランドマーケティングと呼ばれることもあります。

経理

経理とは、企業の日常の取引を記録し、正確な財務情報を提供する役割を担います。 具体的には、売上の記録、給与の計算、支払い、領収書や請求書の管理などが含まれます。経理以外にもお金の動きに関係する職種として、会計と財務があります。

会計は、経理のデータを基に財務諸表(損益計算書や貸借対照表など)を作成し、外部のステークホルダーへ報告する役割を果たします。また、財務は、企業の資金繰りや資本構造、投資戦略などの資金面での経営を担当します。

要するに、経理は日常的な取引の記録、会計はそれを基にした財務報告、財務は資金管理という位置づけです。経理と会計の業務は内容が近しいものであるため、企業によっては、まとめて経理という職種にされていることもあります。

人事

人事は、企業の人材に関連する業務を担当する部門や職種を指します。主な職務内容としては採用活動、研修・教育、労務管理、評価・人事考課などが含まれます。

採用活動は、主に新卒採用や中途採用など、企業の従業員となる人材を獲得するための活動です。採用のために企業のPRを行ったり、選考を行ったりします。

研修・教育とは、社内人材が必要なスキルやマインドセットを身につけるための補助をします。具体的には、研修プログラムの企画や運営などを実施し、従業員の成長を促します。

また、労務管理は、従業員が健全に安心して働けるよう、従業員の労働環境を整えたり、労働上の問題の解決にあたったりします。

評価・人事考課は、従業員のパフォーマンスを評価し、昇給等の査定をします。人事評価の枠組み設計から行うこともあり、従業員がモチベーション高く働くことができる環境を設計します。

企画

企画とは、新しいプロジェクトや製品、サービス、イベントなどの提案・構築を中心とした業務です。具体的な内容は、企業や目的によって異なりますが、一般的な企画の業務内容としては、市場調査・分析、アイデア創出、事業計画の策定、プロジェクトマネジメントなどになります。

市場調査・分析は、市場にどのようなニーズ(需要)があるのかを調べる業務になります。そもそも需要がないところにサービスを展開したとしても利益が出ません。利益を生む事業を企画するためにも、市場調査・分析は欠かせない業務です。

また、市場の動向が把握できた上で、市場のニーズに応えるサービスのアイデアを創出します。全く世の中にないアイデアを考えることもあれば、先行事例を応用することを考えることもあります。

また、アイデアができた後は事業計画を策定します。いくら投資しなくてはならないのか、それは何年で回収できるのか、どのくらい利益が出るのかなどを見立てる必要があります。そして、いざその事業をやるとなったときは、その事業がうまくリリースされるよう、プロジェクトマネジメントをすることが必要になります。この場合、営業や広報、エンジニアなど様々な部署をマネジメントとしていくことになります。

このように、企画の仕事は比較的難易度が高く、様々な業務の経験を必要とする内容です。したがって、新卒で募集している枠は多くはありませんが、企業にとっては必要不可欠な職種ですし、やりがいも大きな職種であることに間違いありません。

IT業界の職種3選

エンジニア

エンジニアの仕事は、主にWebやアプリなどのサービスを作るにあたって、要件定義をしたりプログラムを書いたりする仕事です。

エンジニアは大きく分けて、ユーザーが直接目にする部分を作る「フロントエンジニア」と、ユーザーには見えないが画面遷移やデータベースなどサービスの動作に不可欠な要素を設計する「バックエンドエンジニア」の2種類があります。

これらの仕事で大きく異なるのは、使用する言語です。フロントエンジニアは主にHTMLやCSS、Javascript、PHP、Rubyなどのプログラミング言語を使用します。一方で、バックエンドエンジニアは、JavaやPython、C#などの言語が使われます。現在は、フロントでもバックエンドでもどちらでも使える言語も多数存在します。

エンジニアは、まず作りたい機能を実際にサービスに落とし込むための要件定義を行い、それを実際にプログラムを書いてコーディングします。そして書いたプログラムが正常に動作するかということをテストします。これらが、主なエンジニアの仕事内容となります。

Webやアプリなどのサービスを主軸としている企業にあっては、エンジニアの仕事はまさに最も根幹の仕事と言えるでしょう。

プログラミングスキルが必要なエンジニアの仕事ですが、現在はエンジニアの数が足りないということもあり、未経験でエンジニアを採用している企業も多くなってきています。未経験であっても挑戦する機会は多いと言って良いでしょう。

なお、エンジニア就活に興味がある方は専門のエージェントに相談してみることをおすすめします。

マーケター

また、マーケターの仕事もIT業界で多く見られる仕事です。マーケターは、IT業界ではデジタル・マーケティングを業務内容とする企業が多いです。デジタル・マーケティングの具体的な業務内容としては、サイトの検索順位をあげるSEO(Search Engine Optimization)やインターネット広告、SNS、メルマガなどを使って、潜在顧客層にリーチし、集客をし、売上を上げることを仕事とします。

デジタル・マーケティングの仕事も、先ほどのエンジニアと同様専門性が高い仕事です。媒体のアルゴリズムを把握し、集客導線の様々なところに目標(KPI)をおき、A/Bテストを繰り返しながら成果を追っていきます。

デザイナー

デザイナーの仕事は、主にWebやアプリの画面(UI:User Interface)を設計する仕事になります。具体的には、これらのサービスの画面のビジュアルデザインを作成する仕事になります。

また、ボタンの位置を変えたり、文言を変えたり、画面遷移を変えたりしてユーザーの体験(UX:User Experience)を最大化し、売上向上のために役立つデザインを追求する業務もあります。この仕事は、特にUXデザイナーと呼ばれることもあります。

デザイナーの仕事はエンジニアの仕事とマーケティングの仕事とどちらとも密接に関わる仕事になります。実際に機能改修を行うときはエンジニアと協業しますし、KPIを最大化するという同じ目的でマーケターと協業することも多々あります。

就活での職種の決め方4ステップ

それでは、就活での職種の決め方を4ステップで解説していきます。

自己分析をする

まず、自分は何がしたいのか、好きなことは何か、どんな強みがあるのか、を自己分析を通して知りましょう。

どんな些細なことでも構いません。例えば、「人と話すのが好き」ならば、人と話す仕事、例えば営業などに向いているかもしれません。また、逆に「一人で黙々と作業をするのが好き」ならばエンジニアのような仕事が向いているかもしれません。

また、自己分析をする際は、好きなことは何かということと同時に、好きではないこと、嫌いなことは何かということについても分析しましょう。というのも、「好きではないが嫌いでもない仕事」と「嫌いな仕事」の2つがあったとき、後者に従事する方がストレスは大きくなってしまいます。自分に向いていない仕事は何なのかということを知ると、その仕事は選択肢から省けるので、職種の絞り込みが楽になります。

職種の種類を把握する

自己分析ができたら、就活サイトなどを通して、自分の特性にマッチした職種を探してみましょう。就活サイト等を除くと様々な募集がでています。どのような仕事が募集されているのかということをまずは満遍なく把握することをおすすめします。

ここでのポイントは、まず幅広く満遍なく把握することです。よく受ける職種を絞りきって就活を始める人がいますが、あらかじめ受ける職種を絞りきってしまったら本来自分に適しているかもしれない職種へのエントリーの機会を逃してしまうかもしれません。

また、実際にその職種を体験してみないことには、その職種の業務内容が本当に自分にあっているのかわかりません。

最初にチャンスを絞りすぎないよう、幅広く満遍なく職種を把握することが重要です。

適性検査で向いている職種を知る

また、適性検査を通じて向いている職種を知ることも非常に有効です。適性検査とは、アンケートのようなものに答えることで、自分の性格にあった仕事を客観的データに基づいて示してくれるものです。自分ではAが向いていると思い込んでいたが、客観的な視点から見るとむしろBの方が向いているということがあります。

チャンスを絞りすぎないためにも、主観と客観、両方から候補の職種を把握することが重要です。

OB訪問やインターンを通して職種について理解を深める

ここまでで自分に向いている可能性のある職種がわかったら、実際にOB訪問やインターンを通して、職種について理解を深めましょう。

OB訪問では、実際にその職種で働いている人の生の声を聞くことができます。ネットの情報だけではわからない細かい情報などを取得してその職種内容の具体的なイメージをもつことができるようになります。

また、インターンでは実際にその仕事を体験してみることができます。イメージでしかなかった職種の内容を実際に体験することで、本当に向いているのかどうか確信を得ることができます。

職種がどうしても決まらない場合は?

就活エージェントに相談する

自分だけでどうしても職種が決まらない場合、就活エージェントに相談することをおすすめします。就活エージェントは、これまで数多くの就活生をみてきた経験と、最新の募集状況の知識があるため、良い相談役になります。

就活は一人だけで進めていてもどこかで行き詰まりが生じやすいものです。そのような時に第3者にアドバイスをもらうと、道が開けることも多くあります。

総合職として企業にエントリーする

また、最終的にどうしても職種が決まらない場合、総合職として企業にエントリーすることもできます。企業の中には、初めから職種ごとに窓口を絞った採用をするのではなく、あらゆる職種に配属される可能性のある「総合職」という窓口で採用している場合も多々あります。まずは一旦総合職に入って、入社後実務を経験してから再考する、というのも選択肢としてはありでしょう。

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